電力コラムCOLUMN
「充電して、その電気の力で電動モーターを動かし、走行する自動車」のことを電気自動車と言います。走るにあたってガソリンなどの燃料は使いません。
ちなみに、「電力でもガソリンでも走行できる自動車」のことは「プラグインハイブリッドビーグルカー」と言い、電気自動車とは区別されるのが普通です。
それでは電気自動車のメリットを紹介していきましょう。
ガソリンではなく電気の力で走行しますから、二酸化炭素や窒素酸化物を排出しません。
つまり、地球環境に優しいということです。
ガソリンカーではエンジンを動かすことになりますから、ある程度は音や振動が発生することが避けられません。
ですが電気自動車にはエンジンがなく、モーターとバッテリーのみで走りますから、振動や走行音が小さくて済みます。
また、スムーズに加速できるという特徴もあります。
電気自動車を使うにあたって、ガソリン代はもちろんかかりません。
電気自動車のランニングコストはほぼ電気代のみで済みます。
実際、「ガソリンカー」と「電気自動車」が同じ距離を走ったとすると、電気代のほうがガソリン代よりも低くなるケースがほとんどです。
また、スタンドや充電用コンセントがあるのであれば、電気料金プランを「深夜料金が安いプラン」に切り替えて、夜間にのみ充電を行うようにすれば電気料金をさらに節約することが可能です。
自然災害などの影響で停電が発生した場合などには、電気自動車を電源として使うことが可能です。
※ただし、普段から電源として利用することはおすすめしません。
続いては電気自動車のデメリットを挙げていきます。
メリットを照らし合わせて、総合的に考えてみていただければと思います。
ガソリンカーと比べると、電気自動車のほうが高額である場合が多いです。
電気自動車を買うときには減税・補助金が適用されるのですが、それでもガソリンカーのほうが安くなる可能性が高いです。
ただ、先ほどもお伝えした通り、「ランニングコストは電気自動車のほうが安い」ですから、長い目で見れば電気自動車のほうがお得かもしれません。
電気自動車をフル充電するには最長で数時間を要します。短くても数十分はかかります。
自宅に充電できる環境がなく、充電スタンドを利用するのであれば、充電が終わるまで待機しなければなりません。
また、「急に出かけることになり車を使う必要がある」というケースに困るかもしれません。
フル充電で200~600キロほど走行できる電気自動車が多いです。
そのためほとんどの人にとっては困らないと思いますが、例えば「車で長旅をしたい」「出張で車を頻繁に使う」などの場合は向かないかもしれません。
ただ、最近では「フル充電で走行できる距離」が長い電気自動車も増えてきています。
電気自動車の充電は、「自宅に導入した充電器」や「充電スポット」にてできます。
現在、充電スポットは日本各地に3万カ所以上ありますから、困ることはないはずです。
充電スポットはスマートフォンアプリなどで検索することが可能となっています。
また、この先も充電スポットは増えていくと見られています。
そして、充電スタンドや充電器を自宅に導入すると、さらに減税や補助金を受けられる場合があります。
「自宅に充電できる環境を作るのはコストがかかりすぎる」と思い込まず、一度は検討しておくことをおすすめします。
環境に優しい電気自動車ですが、「電気自動車が広く普及したとき、電力不足にならないのか」という懸念があります。
具体的に言うと、「全走行車における電気自動車の割合」が15%以上になると、電力網に影響が及ぶと見られています。
そして、2035年以降にはそういった状況になると予測されています。
そのため、その頃までに電力会社はプランを練り、あらゆる場面をクリアできる対策を用意しておかなければなりません。
ただ、電気自動車が広まるにしたがって、再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電など)も普及していくのではないかと言われています。
「これまでの発電所に対する電力需要」を、再生可能エネルギーによってカバーできるかもしれないからです。
再生可能エネルギーについては、「必要性があることは広く認識されているものの、すぐにメリットが得られるものではなくコストもかかるため、あまり普及が進んでいない」という側面があります。
ですが、「電気自動車のための電力」という「強い必要性」が生まれれば、再生可能エネルギーの普及が加速するかもしれません。