電力コラムCOLUMN
太陽光発電は日本国内の「再生可能エネルギー」の代表格です。
実際、「国ごとの太陽光発電の導入実績」で考えてみると、1位中国・2位アメリカ・3位日本という状況になっています。
最近では「一般住居用太陽光発電システム」の他にも、公共施設や産業施設においても積極的に導入されています。
そして、「太陽光パネルを多く設置して、大きな電力を高効率で発生させる太陽光発電施設」のことを「メガソーラー発電所」と言います。
メガソーラー発電のメリット・デメリットを挙げていきます。
メガソーラーの主なメリット
・土地の有効活用に繋がる
メガソーラー発電所を作るためには広い面積が必要になりますが、「管理」は楽ですから、交通の便に悪い僻地に設置しても困ることはまずありません。
・人員コストが低い
先述の通り管理が楽ですから、人員コストを抑えることができます。
火力発電所などよりも、手軽に管理できると言えます。
・自然環境への悪影響が少ない
「メガソーラー」というよりも「太陽光発電そのもの」のメリットですが、燃料を使わずに電気を発生させることができますから、「使用済燃料」「二酸化炭素」「排気ガス」など、自然環境に悪影響を及ぼす可能性が高い物質は発生しません。
・売電収入がある
メガソーラーを設置すると、「固定価格買取制度」により、20年間売電収入が発生し続けることになります。
ちなみに、メガソーラーではなく「一般住居用太陽光発電」であっても、10年間は売電が保証されます。
・優遇税制や国からの融資の対象になる
メガソーラーを「自家消費タイプの太陽光発電」として導入すると、返済期間20年の特別金利融資を受けられる可能性があります。
(これは『日本政策公庫』からの融資です)
また、「中小企業投資促進税制」や「中小企業経営強化税制」などのルールにより、
特別償却(30パーセント)や、即時償却(100パーセント)等の優遇税制を適用することも可能です。
メガソーラーの主なデメリット
・環境に悪影響を及ぼす可能性もある
メガソーラー発電所を設置するにあたって、「周囲の森林伐採」などをしなければならない場合もあります。また、周囲の景観を悪くする可能性もあります。
ですが、
「少しでも環境に悪影響を与える恐れがある=メガソーラーは設置すべきではない」
という安易な結論にたどり着くのもよくありません。
メガソーラー(太陽光発電)により多くの電気を生み出すことができれば、結果的に「環境に影響を及ぼす可能性がある他の発電方法」による発電を抑えることができる可能性もあります。
「メガソーラーによる恩恵」と「環境への影響」を冷静に分析しつつ、導入に対する方針などを決めていく必要があると言えるでしょう。
・設置エリアへの恩恵が少ない
火力発電所を設置すると、そのエリアで働く人が多くなるので、地域経済が現状よりも豊かになる可能性があります。
ですが、メガソーラー(太陽光発電)に関しては「管理のための人員」がほぼ必要としないので、設置エリアへの恩恵が少ないと言えます。
また、景観の良さを武器にしている観光地等にメガソーラーを導入しようとても、地域住民からの賛成が得られず、計画が頓挫するかもしれません。
「地域住民への丁寧・正確な説明」と「そもそもの設置エリア選び」は非常に重要であると言えます。
・管理しなくていいわけではない
「メガソーラー(太陽光発電)には管理があまり必要ない」ということは確かです。
ただ、全く管理しなくて良いというわけではありません。
例えば、雑草の影響で影が発生してしまい、発電量がダウンする場合があります。
そのため、雑草の処理をたびたび行う必要があります。
また、「地面にコンクリートを流して凝固させ、雑草をシャットダウンする」という方法もありますが、もちろんこの作業もノーコストでできるわけではありません。
それから、台風等の影響で太陽光パネルが飛ばされるなどのトラブルが起きることもあります。
そのため、台風があっても耐えられるように架台を強化しておかなければなりません。
また、「動産総合保険」に加入しておくことも大事です。
太陽光発電、特にメガソーラーについて解説しました。
「土地を有効活用できる」「環境に悪影響を与える物質を発生させずに発電できる」などのメリットがあります。
ただ、「景観を悪くする可能性がある」「設置地域への恩恵が少ない」などもデメリットがあり、実際にメガソーラーの設置に関して揉めている地域があることも確かです。
「環境に影響を与える恐れがあるメガソーラーは絶対に設置すべきではない」ですとか、「大きな電力を生み出せるのだから、何があってもメガソーラーを設置すべき」などの極論に飛びつかず、各要素を適切に分析して、導入・運営方針を決める必要があると言えるでしょう。