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スマート農業ってなに?~ネオ・コーポレーションがご紹介する近未来の農業の形
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【目次】

◆完全無人!?無人自動運転作業機能付きトラクターとは
◆数日かかっていた農薬散布がわずか数時間で!農薬散布用ドローン
◆情報通信技術(ICT)を活用して効率のよい収穫が可能
◆農業の人材不足を解消する「スマート農業」


農業といえば、農家のお百姓さんたちが田畑を活用して私たちの生活に必要な食物を栽培することですよね。

土地を耕して穀類や野菜、園芸作物などの種や水をまいて育て、時期が来れば収穫を行い出荷します。これらがスーパーなどに届けられることによって、私たちは美味しいお米や野菜などを食べることができます。

農業に携わる方ならもちろん詳しいとは思いますが、そうでなければ農業は炎天下の中で種まきや稲刈りなど、大変な作業のイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

またどの時期に種をまき、どのように育て、いつ収穫すればいいのかなど、高い知識や豊富な経験が求められるもののようにも感じます。

さてそんな分野においてもロボットやAI、ICTなどの技術が導入されています。これらをスマート農業と呼んで、国も推進しているのです。

どのようなものなのかご紹介しましょう。

◆完全無人!?無人自動運転作業機能付きトラクターとは

ひと昔前のように、手作業で田植えをし、稲刈りをするようなことはなくなりつつあることはみなさんもご承知だと思います。トラクターなど便利な機械を活用していることは、農業の関係者でなくてもご存知でしょう。

このトラクターは現在ロボット技術によって、無人で作業できることをご存知でしょうか。「無人自動運転作業機能」が搭載されているトラクターが販売されているのです。

各社から販売されている自動運転トラクターは、衛星システム(GPS)を活用して全自動で農作業を行うことができます。

GPSというと私たちの車にもついている「カーナビ」をイメージしますよね。このカーナビを応用して、田畑の位置情報を掴むことができ、完全に自動で作業を行うことができるようになったのです。

このシステムは、農林水産省が積極的に推進してきた技術で、農器具メーカーやロボット技術を研究している大学などが共同で開発してきたものです。

まったく無人でトラクターだけが動いている状況は、ビックリしますよね。

◆数日かかっていた農薬散布がわずか数時間で!農薬散布用ドローン

農作業に欠かせないものに「農薬の散布」があります。実はこの農薬の散布はなかなか大変な作業なのです。

農薬散布作業は、育ってきた農作物に病害虫が付かないようにしているイメージがありますが、種子消毒のために行うものや雑草を管理するために行うものもあります。つまり農作業の期間に何度も農薬の種類を変えて散布しなければなりません。

今まで行ってきた方法では、背中に農薬を入れたボトルを背負い、噴霧器で丁寧に撒いていくものです。しかも散布するお百姓さんを守るためにマスクやメガネ・手袋・帽子・長袖の衣類などを身につけなければなりません。

この手間を解消するために、農薬散布用のドローンが開発されています。

ドローンにもよりますが、10リットル程度の大容量のタンクを搭載することができるものもあり、液晶モニターで確認しながら農薬を散布することが可能です。

今まで1日~数日かかっていた農薬散布がわずか1~数時間で終えることができるとして、とても注目されている技術です。

◆情報通信技術(ICT)を活用して効率のよい収穫が可能

農業の難しい点は、天候によって生育が大きく影響されることです。また活用する肥料によっても変わってきます。

これらは今までお百姓さんの長年の経験の積み重ねで支えられてきました。

しかしスマート農業では、これらの情報がデータとして積み重ねられていて、どのような状況のときにどのようにすればいいのか、農業初心者であっても判断できるようになりました。

お百姓さんは、パソコンやタブレットで情報を確認しながら農作業に取り組めば、より高い品質にすることができ、また収穫量を増やすことが可能です。

収益性を高めることもできますから、とても注目されている技術なのです。

◆農業の人材不足を解消する「スマート農業」

どの業界においても、人材不足が叫ばれていますが、農業の世界においてはかなり深刻のようです。なかなかなり手が少なく、もともと農業を営んでいた人が高齢化している現状があるからです。

また新たに農業に取り組みたいと考える人がいるとしても、豊富な経験や知識が必要になりますから、新規参入も難しい状況でした。

これらを解消することができると注目されているのが「スマート農業」です。我が国のAI技術が人材不足を解消し、低いと言われている食料自給率を高めることができると期待されているのです。

【参考】
スマート農業 農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/
ヤンマー ロボットトラクター
https://www.yanmar.com/media/jp/2018/catalog/yt488a_yt498a_yt4104a_yt5113a_auto-robot.pdf
クボタ 散布用ドローン
https://www.jnouki.kubota.co.jp/product/kanren/mg_1ksak/
プレスリリース「NECとネポン、農業ICTクラウドのサービス基盤を活用した異業種とのアライアンス事業を開始」
https://jpn.nec.com/press/201810/20181004_02.html
日本の食料自給率 農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html