電力コラムCOLUMN
【目次】
AIの話題を新聞やテレビなどのメディアで見かけない日はなくなりましたね。
でもロボットや人工知能の進化は、私たちの生活に有益なものとなるのでしょうか。私たちの仕事まで奪ってしまうのでは?なんて怖い報道も見かけることもありますね。
ここでは私たちが気になる健康に対してとても頼りになる、医療分野でのAI技術についてお伝えします。
とても驚くような技術が開発されているんですよ!
みなさんもご存知の通り、日本は観光都市ですので多くの外国人観光客が毎年大勢日本に訪れます。また外国人労働者の受け入れも積極的に行っていますので、コンビニなどにおいて外国人が働く姿を見かけるのも珍しくなくなりましたよね。
しかし外国人とのコミュニケーションで、困ってしまう場面が多くあります。特に外国人が体調不良などで病院への受診が必要になった場合に、医師に症状を伝えることが難しい場面が少なくないのです。
英語であればまだしも、中国語や韓国語、その他の言語の場合、それらを理解できるスタッフを常に配置しておくことはなかなかできません。
しかし外国人患者も安心の自動翻訳システムが販売されています。
日常会話での自動翻訳システムは今までいくつか発売されてきましたが、医療の専門用語を翻訳できるものがなかなかありませんでした。また症状についても正確に掴まねばならず、「いつから痛いのか」「どれくらい痛いのか」など細かなニュアンスまで正しく翻訳できなければなりません。
現在開発されているもので注目されているものは、富士通が開発した名刺型の音声翻訳端末で、端末に触れることなく自動翻訳することができます。この端末が音声を拾い、わずか2秒で翻訳してくれます。
精度も向上しているとのことですので、2020年の東京オリンピックも安心ですね。
急な発熱や頭痛などによって、職場近くなどのクリニックに訪れなければならないことってありますよね。
その内科クリニックが初めての場合であれば、どのような症状なのか、いつからそのような症状があったのか聴かれます。問診票などに書かれた簡単な質問に答えていくような場合もありますね。
この問診って実はとても大事で、重大な病気を発見することにも繋がります。ただし病院としては問診に時間をかけ過ぎると、いつまでも多くの患者さん待たせてしまうことにもなり、悩ましいところでもあるのです。
この問題を解決するために、「問診支援システム」が開発されています。AIに約5万件にも及ぶ論文を覚えさせて、患者さんから詳しい症状を引き出せるような質問ができるようになっています。
かなり詳しい症状を引き出せるとともに、問診時間が半分以下に軽減したといいますから、とても便利なシステムですね。
タブレット端末を活用したもので、月額数万円でこのシステムを導入できるそうですよ。
私たちは生涯のうちにさまざまな病気に悩まされますが、死因となる病気で多いものには「がん」があります。厚生労働省の発表によりますと、全体の死亡数に対する割合は約30%と言いますから、約3人に1人はがんで亡くなっていることになります。
しかしがんに対する研究も進んでおり、早期で発見した場合の生存率はどんどん上がっており、がんも治る病気になりつつあるのです。
つまりがんを治すために大事なことは「早期発見」すること。がんを早期発見して、ほかの場所に広がっていない状況であれば、広がっている場合と比べて5年生存率はかなり高くなります。
ただがんを早期発見するのはなかなか難しいようです。画像などによって見つけなければならないのですが、どうしても見逃しが起きてしまうのです。
AIを用いた「早期がん判定システム」では、がんの画像を数十万枚AIに覚えさせることからはじめ、早期がんを導き出せるようにしています。
熟練の医師がいろいろな検査データから導き出さなければならない結果を、このAIではわずか数秒で早期がんを発見できるようになりました。しかも的中率は約93%といいますから、かなり高い確率で早期がんを発見できるようになったのです。
患者さんは早期にがんを発見することで、それほど大きな負担なくがんの治療を行うことができます。また医師の負担も軽減できるとして、医師本来の治療に専念できますので、私たちにとって本当にありがたいシステムだと言えるでしょう。
【参考】
富士通、問診しながら自動翻訳 医療向け名札サイズ 日本経済新聞社
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ15IAZ_Y7A910C1TJC000/
世界初、ウェアラブル型のハンズフリー音声翻訳端末を開発 富士通プレスリリース
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/09/19.html
AI問診による効率化で患者と向き合う時間を確保してほしい 日本医事新報社
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=10431
死因順位 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html
早期発見で高まる5年生存率 オリンパス
https://www.onaka-kenko.com/early-detection/detection_02.html
AIで早期胃がん領域の高精度検出に成功 早期発見・領域検出で早期治療に大きく貢献国立がん研究センター
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0721/index.html