電力コラムCOLUMN

ブラックアウトとは?停電との違いは?|家庭でできる対策方法も紹介
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停電・大規模停電・ブラックアウトの違いは?

停電:電力供給がストップすること
大規模停電:規模の大きな停電のこと
ブラックアウト:電力会社が管轄するエリア全体で停電が起きること

「ブラックアウト」の定義は明確に決まっています。
ですが、「どれくらいの規模であれば大規模停電というのか」は定まっていません。

また、「非常に大きな規模の停電」であれば、「電力会社の管轄エリア全体で停電が起きているというレベルではないケース」でも、ブラックアウトと表現される場合があります。

日本で発生したことがあるブラックアウト|北海道地震

日本ではこれまで「大規模停電」に分類される停電が20回ほど発生しています。
ですが、その中で「ブラックアウト」とみなされている停電は1回しかありません。

それは「平成30年北海道胆振東部地震(最大震度7・マグニチュード6.7)」を原因として、2018年の9月に発生しました。
このとき北海道全域で停電が起きたのです。

ブラックアウトが発生する原因は?|よくある勘違いについて

「停電」そのものが色々な原因によって起きています。
そして、北海道のブラックアウトに関して深く把握するためには、停電についての「ある仕組み」について学んでおかなければなりません。

まず、「大地震の影響で、北海道の全発電所が大きな被害を受けた」と認識している方が少なくありませんが、それは間違いです。
北海道電力はおよそ70個の発電所を有しており、地震だけでこれらが全てストップするということはまずあり得ません。

では、なぜ北海道でブラックアウトが起きてしまったのでしょうか。
ポイントは「周波数」です。

平時は、発電における「需要・供給」のバランスは一致しています。
ですが、供給側に傾くと周波数が上がり、需要側に傾けば周波数が下がります。

この周波数が一定にキープされていないと、正常な送電を行うことができなくなります。

そして北海道地震の発生時、北海道における複数の発電所がストップし、「供給」が減りました。

また、「地震が起きた」という理由で、「テレビのニュースを観たい(テレビのために電気を使いたい)」と考える人が多くなり、「需要」が増え、供給バランスが乱れて、周波数が下がってしまったのです。

周波数が大きく下がると、発電所の安全装置がオンになります。
そして北海道エリアの全発電所にこれが波及し、ブラックアウトに繋がってしまったのです。

この先、日本国内でブラックアウトが発生することはある?

ブラックアウト対策は進んでいる

北海道のブラックアウトが教訓となり、政府は「重要インフラの緊急点検についての会議」を行い、「全重要インフラの緊急チェック」の指示を出しました。
そして、「この先、日本の各エリアでブラックアウトが起きる可能性が否定できない」という見解が出されました。

ただ、「ブラックアウト後にスムーズに復旧させるためのシステム構築」なども行われています。

ブラックアウトが発生する可能性はある

そもそも人類が、「ブラックアウトの引き金となるような災害」を完全に防止することはできません。そのため、ブラックアウトが発生する可能性はゼロではありません。

したがって
「ブラックアウトを防ぐための対策(災害を防ぐのではなく、電力供給側のシステムを強化するという意味)」と、
「ブラックアウトが発生したときに迅速に復旧できるようにするための対策」の両方を進めていくべきであると言えるでしょう。

ちなみに「ブラックアウトの原因となった北海道地震」と同レベルの地震は、日本ではたびたび発生しています。

ブラックアウト対策として家庭でできること

「ブラックアウト」だからと言って、家庭レベルでは難しく考える必要はありません。
一軒一軒の家にとっては「停電」でしかないからです。
そのため、「停電対策」をしておけば事足ります。

では対策方法を具体的に挙げていきます。

電気がなくても使えるラジオを用意する

電池式、もしくは手回し式のラジオを1台以上用意しておきましょう。
停電時はこれが貴重な情報収集手段となります。
また、電池式のラジオを用意したのであれば、「電池」も多めに確保しておく必要があります。

食料・飲料水を準備しておく

3日分程度の非常食や水を常に備えておきましょう。
これだけ用意しておけば、「復旧」や「自治体や国によるサポートの開始」までしのぐことができる可能性が高いです。

発電機や蓄電池の準備

コストもかかりますから必須とは言いにくいですが、発電機や蓄電器を導入すればブラックアウト時でも対応しやすくなります。

停電時の行動をシミュレーションしておく

「停電が発生したときにどう行動するか」などを確認し合っていないご家庭が少なくないはずです。
きちんと話し合っておき、できれば定期的に避難訓練も行いましょう。