電力コラムCOLUMN
みなさんは「無人バス」と聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか。
「運転手さんがいなくても運転できる?」
「事故は大丈夫なの?」
気になることはたくさんありますよね。
しかし今、国の手動のもとで無人自動運転バスの実証実験が全国各地で行われています。
2020年の東京オリンピックに合わせて、一部の地域や区間において実用するのではなく、採算の取れない過疎地などの路線問題を解消できるとして注目されているそうです。
今回は無人自動運転バスが、どのぐらいまで実用段階に来ているのかお伝えしていきます。
政府は先日「交通政策白書(2019年版)」を閣議決定していますが、その中で2025年を目途にして過疎地での無人自動運転バスのサービスを普及させると目標を掲げています。
2025年といえば6年後に迫っていますが、無人自動運転バスの運行は目の前まで来ているということになります。
この実証実験は実はもう何年も前から行われていて、公道以外においては実際に運行が開始しているところもあるようです。
限定的ですが、2016年には商業施設や大学の構内など、私有地での無人自動運転バスが運行している場所もあります。
この無人自動運転バスは、運転をAIが行なっており、GPSやインターネットでの情報を取得しながら安全に運行ができるようになっています。
公道ではまだ実験段階ですが、バス専用の通路があるような場合であれば特に問題なく運行できているそうです。
運転テクニックについては、ベテランの運転手でもできないレベルまで幅寄せするようなこともできます。
搭載されているAIにGPS情報を入力しているために、指示した通りに運転することができるのです。
現時点においては、公道での無人自動運転バスは運行されていませんが、近い将来私たちの前に現れるであろうバスは、このように利用できるようになります。
現在の無人自動運転バスの技術では、決められたルートを走行する事は何の問題もなく、バス専用レーンなどがある場合であればすぐに導入可能なところまで来ています。
おそらくバス専用レーンが設置できる公道からスタートするでしょうから、交通事故などのリスクも解消できるものになるでしょう。安全に乗車できることが一番ですよね。
また無人運転というだけではありません。
みなさんの中でもバスを利用している人は多いと思いますが、小銭を用意しなければならないのを不便だと感じることがあるでしょう。
最近では電子マネーカードで決済できるバスも登場していますが、無人自動運転バスではさらに進化したものになりそうです。
バス停に表示されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、その場でバスのチケットを購入することができます。そのままバスに乗車すると自動的に認識され、チケットを購入したことを認証できるようになっています。
つまりバスに乗車しても支払い手続きが全く不要になるのです。支払いにかかる時間を短縮できますから、目的地まで早く到着することも可能です。
公道での無人自動運転バスの実験では、ようやく完全無人での実験が行われるようになりました。
無人自動運転バスが抱えている課題としては衝突事故だけでなく、乗車しているお客様が転倒するなど車内での事故に対する対応も課題となっています。
そのためバス車内にはセンサー付きのカメラが備えられており、車内が監視できるシステムとなっています。
ただ実際に転倒事故などが起きた場合に、どのように対処すべきなのか議論されており解決に至っていません。
また技術的な面においても、公道に路上駐車されている車を避ける場合、まだまだ無人自動運転では対応しきれない課題も残っているそうです。
さらにバス停で待っているお客様を見つけて停車させるといった、バスの運転では当たり前のことがAIではなかなかできません。
しかし運転技術については、実際の運転手よりも正確な技術で運転できるので、今後の研究や実験によって課題もクリアしていけるのではないでしょうか。
報道でご覧になった方も多いかもしれませんが、高齢者の運転ミスによる事故が相次いでいます。
高齢者の運転に対して様々な議論がされていますが、過疎地に住んでいる高齢者の場合、家の近くに走っているバスが頼りになることは間違いありません。
しかし、バスの運営側としては採算の問題がありますので、多くの本数を走らせることができません。
無人自動運転バスはこのような問題を解決してくれるものとして注目されています。
早く実用に至るといいですね。