電力コラムCOLUMN
前回お話した電力の地産地消には、送電ロスが減り、再生可能エネルギー源による発電が促進でき、化石燃料使用の低減にも貢献でき、更には料金も割安で地域経済活性化にも繋がるという良い点が沢山あります。今回はそんな電力の地産地消の問題点や今後の課題についてお伝えいたします。
電力会社の規模が小規模である場合、需要量と供給量の同時同量の達成(受給管理)が難しくなります。地産地消型の新電力は、天候などに左右される太陽光発電などの再生可能エネルギー源による発電に重きを置いており、その難易度は更に高くなります。新電力に対して経済産業省は、30分単位で需要量と供給量の誤差を±3%以内に収めるよう求めているため、需給バランスを24時間監視し、必要に応じて発電所の出力を制御したり、不足分の電力買入れをしたりしなければなりません。本来ベース電源となりえない再生可能エネルギー源による発電に重きを置く場合、蓄電システムを駆使してもどれだけ上手くインバランスが制御できるのか分かりません。さらに、狭い地域内では需要傾向が類似する傾向にあるため、ピーク時の需要が急上昇することも懸念されるのです。消費電力量と発電電力量のインバランスをなくすため、安定供給とピーク時をどのように制御していくのか、更には余剰エネルギーをどう管理していくのか、という点が課題となります。これらの課題に対する解決方法として、注目を集めているのがマイクログリッドです。マイクログリッドについては、次回詳しくご紹介します。