電力コラムCOLUMN
「電力使用量をデジタル計測する電力メーター(電力量計)」のことをスマートメーターと言います。
これまでの「アナログメーター」とは違って、デジタルで電力の消費量を測って、そのデータを遠隔地に送信することが可能です。
日本国内においては、2024年までに全電力メーターがスマートメーターに移行する予定です。
そして、この移行作業は無料で行われています。
また、居住者が在宅中であれば、電力会社のスタッフがあいさつをしてから移行作業をする場合が多いそうですが、留守中でもスタッフが作業をするケースがあるようです。
そのため「すでにスマートメーターに移行している」ということをご存じでない方も多いとされています。
そこでここではスマートメーターかどうかをチェックする方法を紹介します。
これまでの「アナログメーター」には内部に「回転する円盤」のようなものがあります。
ですがスマートメーターにはこれが付いていません。
これは明らかな違いですから、分かりやすいはずです。
電力自由化に伴い、電力会社の切り替えを経験しているご家庭も多くなったはずです。
そして「電力会社を変えるタイミングでアナログメーターだった」のであれば、切り替えるにあたって必ずスマートメーターに交換することとなります。
もしかしたら「交換した」という認識はないかもしれませんが、確実に切り換えられています。
その他、
・新築時
・電力メーターの有効期間が切れたとき
・電力メーター情報サービス(ヘムスなど)の申請をしたとき
などにもスマートメーターが設置されます。
続いてはスマートメーターのメリットやデメリットを挙げていきます。
最初にお伝えしておきますが、大きなデメリットはありません。
・停電しにくくなる
電力会社側が「各家庭の電力使用量」をリアルタイムで把握することが可能です。
それに合わせて電力供給量をコントロールすれば、大規模な停電を防止することができます。
・電力メーターの読み取り作業がいらなくなる
先ほども触れましたが、電子通信によって「電気の使用状況」というデータを、電力会社のサーバーに送信することができます。
そのため、電力会社のスタッフによる読み取り作業がなくなります。
これは基本的に「電力会社側のメリット」です。
しかし電力会社の人件費等のコストカット、業務負担軽減などに繋がりますから、サービスの質が向上するかもしれません。
つまり、めぐりめぐって私たちのメリットになる可能性があるということです。
・「電力消費量の可視化」ができる
一例として、「ヘムス」を導入すれば、「全体の電力使用量」や「家電製品別の電力使用量」を可視化させることができます。
アナログメーターの場合は「この月はこれだけ電気を使いました」という事しか分かりませんでしたから、これは大きな違いです。
電力使用量が「見える化」することで、節電・省エネがしやすくなり、モチベーションも上がるのではないでしょうか。
ちなみに、「電力使用量の可視化により、およそ1割の省エネができるようになる」というデータも存在します(一般財団法人省エネルギーセンターより)。
・遠隔から見守ることができる
「住宅Aでの詳細な電力使用状況を、スマートフォンBに送信する」というサービスがあります。
これにより、「遠くに住んでいる高齢の家族が、通常通りに生活できているか」をチェックすることが可能です。
例えば「24時間ほとんど電力消費がない」という場合は、なんらかの異変が起きていると考えることができます。
興味がある方は導入を検討されてはいかがでしょうか。
月々3000~5000円がサービス利用料金の相場です。
・電磁波が発生する(※不明点が多いです)
スマートメーターからはある程度電磁波が発生します。
「データの送信時には、アナログメーターの数倍の電磁波が出る」という説もあります。
ただ、あくまで「説」であって、電力消費等が調べた厳密なデータではありません。
また、そもそも「電磁波の人体への影響」に関して科学的に立証されているわけでもありません。
したがって、心配する必要はないと言えるでしょう。
ですが、どうしても不安が残るのであれば、電力会社などと相談してみることをおすすめします。
・「データの盗難」のリスクがゼロではない
「電力消費量」というデータが管理されます。
そして万が一そのデータが抜き取られるようなことがあれば、他者に「家庭の電力使用状況」が知られてしまう事になります。
データを盗まれても金銭面での実害はまず出ませんが、プライバシーが侵害されることは確かです。