電力コラムCOLUMN
私たちはビルや百貨店などでエレベーターを活用する機会が非常に多いですよね。
行きたい階にすぐに到達することができますから、とても便利な設備です。
このエレベーターが宇宙まで続いているとしたら…。
そんなことを子供の頃に考えたことはないですか?
しかし今現実的に宇宙までエレベーターでつないでしまおうという実験が行われているのです。
宇宙エレベーターや、軌道エレベーターと呼ばれる機械です。
そのようにお伝えすると、「空想の世界」や「馬鹿げている」と考える人もいるかもしれませんが、現在の科学技術によって十分に実現可能ということをご存知でしたか?
宇宙エレベーターとはどのようなものなのか、ネオ・コーポレーションが詳しくお伝えします。
宇宙エレベーターと聞くと空想世界の機械というイメージがありますが、近年の科学技術を駆使すれば十分に実現可能なものであると考えられています。
現在、世界中では様々なロケットが開発されていますが、ロケット開発には莫大な費用が必要な上、大きな事故が起きる可能性もあります。
更に、打ち上げ時には大量の廃棄物を生み出してしまうこともあり、環境に対しても良くないことは間違いありません。
その点、宇宙エレベーターであれば、地球と宇宙にエレベーターをつないでしまえば、爆発する危険もありませんし、環境を破壊することもありません。
一度建設してしまえば、費用対効果は高いといえるでしょう。
宇宙エレベーターの建設については、建築のプロ「大林組」が2050年の完成に向けて構想を進めています。
これは「地球と月を宇宙エレベーターで繋ぐ」というもので、地上から約3.6万kmにターミナル駅を設置し、その駅を経由して月へ向かうというシステムだそうです。
2050年には、エレベーターで月旅行に行けるかもしれませんね。
宇宙エレベーターで今現実に進められている実験は、静止衛星から地球までをケーブルで結んでしまうというものです。
静止衛星とは、地球の自転に合わせて一緒に進んでいる衛星のことを言います。
地球の自転と合わせて進んでいますから地球上から見ると止まっているように見えるのです。
この静止衛星からケーブルを地球上に伸ばして行くことで、エレベーターができると考えられています。
とてもシンプルな仕組みですよね。
静止衛星からケーブルを伸ばしていくと、地球の重力に引かれてケーブルが地球に向かい、やがて地表に到達するそうです。
ケーブルについては「カーボンナノチューブ」という素材が使えるだろうと検討されています。
この素材は日本で発見されたもので、宇宙エレベーターに転用できる素材として世界中でも注目されているのです。
宇宙と地球をつなぐケーブルが存在するとしても、乗り越えなければならない課題はたくさんあります。
例えば、自然災害や太陽からの電磁波、熱から影響を受ける可能性が十分考えられます。
建設するには、これらのような様々な事象を想定して建設しなければなりません。
素材として注目されているカーボンナノチューブは、強度が高い上に、軽い素材ですので、宇宙エレベーターに活用するのに適していると注目されているのです。
現在宇宙に行くためにはロケットでなければなりませんが、莫大な費用がかかるために、仮に何かを宇宙に持って行く場合であれば、その輸送コストはものすごく高くなってしまいます。
1kgの物を運ぶだけでも100万円以上のコストがかかると考えられています。
現在構想されている宇宙エレベーター建設は約10万kmの長さになり、1兆円程度のコストになるそうです。
しかし建設してしまえば、ロケットのような費用はかけることなく回数を重ねるごとに輸送コストは下がっていくのです。
年間50回ほど予想するのであれば1kgのものであれば1万円程度になる計算になります。
さらに宇宙エレベーターを増やしていくごとに建設コストを下げることができますから、それに伴って輸送コストも下げることができるのです。
そう考えると、ひょっとしたら温泉旅行に行くぐらいの金額で月旅行に行ける時代が来るかもしれません。
宇宙旅行が楽しみになってきますね。