電力コラムCOLUMN
前回LEDについて解説したところ、好評でしたのでもう少し詳細をお伝えしたいと思います。
今回は「LED照明」とは何なのか、どのようなメリットがあるのかを解説します。
「LED」とは、「Light Emitting Diode」の略で、直訳すると「光を発するダイオード」となります。日本語では「発光ダイオード」と呼ばれています。
「発光ダイオード」というもの自体は、電気を流すことによって、発光する半導体の一種です。そして、「LED照明」は、このLEDを照明器具に使用したものを指します。
照明器具以外にも、信号機や電光掲示板、LEDディスプレイ、乗用車のライトなどに応用されています。
次に、照明器具としての「LED照明」を解説していきます。
その前に、LED照明以外には、どのような照明があるのかを押さえておきましょう。
照明の主な種類としては、
① 蛍光灯
② 熱電球
③ LED照明
この3つが家庭などでよく使用されています。
「白熱電球」は、「フィラメント」と呼ばれる部品を通電することで発光する仕組みになっています。
「蛍光灯」は、蛍光管に電気を流すことで光を放ちます。
それぞれ電気を流すことで発光する仕組みが異なります。
今では当たり前のように使われているLED照明ですが、一体どのような点が優れているのか詳しく解説していきます。
LED照明の最も目立った特徴としては、寿命の長さが挙げられます。一般的に、白熱電球の寿命が1000〜2000時間、蛍光灯が13000時間なのに対して、LED照明は40000時間の寿命を誇っています。
日常的に使用しても10年はもつといわれており、交換の手間も少なくできます。
LED照明は、他の照明と比較しても単価は高いのですが、それでも圧倒的な長寿命を誇っているため、寿命あたりの価格はダントツで低いです。
そのため長期的に考えれば、LED照明が最も低コストといえます。
LED照明は、白熱電球、蛍光灯と比較しても、同程度の明るさをより少ない消費電力で実現できます。そのため、省エネかつ電気代の節約にも貢献します。
よく照明に虫が集っているのを目にしますが、これは白熱電球や蛍光灯に限った話です。
LED照明は、発光時に虫などが反応する紫外線を放出しません。そのため虫が照明内部に侵入せず、メンテナンスなども必要なくなります。
あらゆる面でメリットのあるLED照明。これだけのスペックを誇っているなら、みんな使えばいいのにと感じてしまいますが、現状として、LED照明の普及率はどのようになっているのでしょうか。
平成28年度に内閣府で行われた「地球温暖化対策に関する世論調査」
https://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-ondanka/2-3.html
以下のような調査結果が発表されました。
「半分以上の照明がLED照明などである」:28.2%
→ほぼ全てLEDである:14.2%、半分以上がLED照明:14.1%
「半分くらいの照明がLED照明などである」:15.6%
「半分以上の照明がLED照明などではない」:54.1%
→LED照明などはない:19.7%
このようにLED照明は意外と普及していないことが伺えます。ただ、この結果には、今使っている白熱電球などを使い切ったら切り替えようと考えている可能性も示唆されており、メリットなどをもっとアピールする必要性が感じられます。
また、2020年には、普及率100%を目指すことも発表されています。
LED照明について基本的な知識をまとめていきました。もしかしたら、今使っている照明がLED照明以外であれば、買い替えを検討した方がいいかもしれません。これほどのメリットがあるLED照明なので、一度ご自宅の照明を確認してみてください。