電力コラムCOLUMN
【目次】
電子レンジはとても便利な調理器具で、自宅で活用しているという人も多いのではないでしょうか。
電子レンジといってもさまざまなものがあり、家電量販店に行くと5000円程度で温めるだけの簡単なものや、本格的な調理ができる10万円程度のものまで幅広く販売されています。
手の込んだ料理やお菓子作りなどが好きな人であれば、多機能の電子レンジを利用している人も多いでしょうね。
ところでみなさんは電子レンジってなぜ温めることができるのかご存知でしょうか。 外側から熱を加えているわけでもないのに温まるのは、とても不思議ですよね。
ここでは今更聞けない電子レンジの仕組みをわかりやすく解説します。
電子レンジで食品を温める秘密は「マイクロ波」にあります。 電子レンジのスイッチを入れると、このマイクロ波を発生させる仕組みになっており、その働きによって食品を温めることができるのです。
ではマイクロ波って何でしょう。
マイクロ波とは、分かりやすくいうと電波のことです。電波といいますと、テレビとかラジオをイメージできるのではないでしょうか。 アンテナによって電波を受信し、映像を見ることができたり、音声を聞くことができるようになっています。
例えば「FM東京」は、ラジオで80.0khzに合わせておくと、ラジオ番組を楽しむことができます。
この「80.0khz」とは、周波数のことを指していますが、この周波数の数字は電波のプラスとマイナスが入れ替わる回数を示しています。
80.0khzの場合、1秒間に8000回、 電波のプラスマイナスが入れ替わっています。
ちなみに電子レンジの周波数は2450mhzであり、1秒間に24億5000万回も電波のプラスマイナスが入れ替わっています。
この電波の入れ替わりによって、食品に含まれている水分子がぶつかって摩擦を起こします。摩擦を起こすと摩擦熱が発生します。水分子がおしくらまんじゅうしているような状態ですね。
この熱によって食品が温められるようになっています。
つまり電子レンジで食品を温めるためには、絶対に水分子が必要になりますから、 水分を含んでいる食品のみ温められるということになります。
食品を電子レンジで温めすぎて、お皿が持てないという経験をお持ちの方も多いでしょう。
電子レンジを温める仕組みは、発生させているマイクロ波によるもので、食品に含まれている水分子の摩擦によって熱を発生させます。
つまり食品を温める際に、陶磁器などの食器を使って温めれば、食品だけ温かくなり食器は熱くなることはありません。
とはいっても、食品を温めすぎてしまうことで、食器自体まで熱くなってしまうということはどうしても避けられません。特にラップをして電子レンジで温めすぎると、素手ではそのお皿を持てないぐらい熱くなってしまうことがあります。
このような状況を避けるには、ラップのかけ方を変えてみます。
お皿を全て包み込むようにしてラップをかけるのではなく、お皿の内側で食品を包み込むようにしてラップをかけるようにします。
するとどれだけ温めたとしても、お皿自体は電子レンジで温められることはありませんから、食品がアツアツであったとしてもお皿を持てば大丈夫です。
また最近では、二重構造になっているタッパーやボールが売っています。二重構造になっている内側の食品だけが温まり、外側の器まで熱くならないようになっているのです。
このような商品も活用して、日々の調理を楽しんでみてくださいね。
生卵を殻のまま電子レンジで加熱すると爆発します。 テレビ番組などによっても数々この実験をされていますのでご存知の方も多いでしょう。
この現象は、冒頭から説明している電子レンジの仕組みを理解すればよくわかることです。
電子レンジで仮に殻のままの生卵を加熱すると、内側の生卵だけ加熱されることになります。これは生卵に含まれている水分子の摩擦熱によるものです。
卵の殻自体は温められることはないのですが、 内側の生卵がどんどんと温められ熱によって膨張されてしまい爆発してしまうのです。
内側の生卵が100度を超えているようなこともありますので、 大変危険ですので絶対に試すようなことはやめてくださいね。